海外送金アプリ8社比較!安くて簡単なのはどこ?

Yumiko Kijima

一昔前までは銀行の窓口から行うことが当たり前だった海外送金。しかし近年は、スマートフォンのアプリから手軽に海外送金を行えるサービスが増えています。

様々な海外送金アプリがありますが、それぞれ手数料や利用方法、送金できる通貨などが異なります。そのため、各サービスを比較検討して、自分のニーズに最適なものを選ぶ必要があります。

この記事では、海外送金アプリ8社を徹底的に比較!最も安く・速く・簡単に送金できるのはどこなのかを見ていきましょう。

日本からアメリカの口座へ1,000ドルを送金したい場合(手数料:送金人負担)

海外送金サービス 海外送金手数料 適用される為替レート 合計コスト 日本円入金額
Wise Wise ¹ 1,108円 実際の為替レート(1ドル=108.345円) 1,108円 109,483円シミュレーションより)
PayPal PayPal 499円² 3.5%の為替手数料を上乗せしたレート³ 約4,291円(499円+35ドルの日本円相当分) レートがわからないので、計算不可
seven-bank-logo-jp セブン銀行 (米国への送金不可)⁴ - - -
新生銀行 新生銀行 2,000円⁵ 新生銀行が独自に定めるレート⁶(1ドル=109.38円) 2,000円+為替手数料 111,380円(レート・手数料から計算)
ドコモ docomo Money Transfer 1,000円⁷ docomoが独自に定めるレート⁸(1ドル=109.89円) 1,000円+為替手数料 110,890円(レート・手数料から計算)
brastel-remit-logo-jp ブラステルレミット 1,680 円 ブラステルが独自に定めるレート(1ドル=109.41円) 1,680 円+為替手数料 111,090円(シミュレーションより)
world-family-logo-jp World Family (米国への送金不可)¹º - -
smiles-logo-jp Smiles ¹¹ 1,480円 為替手数料に関する記述なし(1ドル=108.30円) 1,480円(+為替手数料の有無が不明) 109,780円(シミュレーションより)

(2019年10月15日時点)

送金手数料だけ見ると、PayPalやドコモのMoneyTransferがお得に感じます。しかし、各社が使用する為替レートにも手数料が含まれていることから、日本円入金額を見ると、結果的な送金コストが高くなることがわかります。

海外送金の際は送金手数料だけではなく、為替レートまでしっかりチェックするのが重要です。

海外送金アプリの中ではWiseのように実際の為替レートを使用しているものもあります。最大で銀行の8倍安く送金できることもありますよ。

リアルレートで海外送金:Wise無料登録

では、以下で海外送金アプリ8社のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

1. Wise(ワイズ)

Wiseはエストニアで生まれた新しいオンライン海外送金サービスです。複数の国内送金を活用した仕組みで送金を行っているため、送金手数料が安く抑えられています。

また、Wiseは常に実際の為替レート(ミッドマーケットレート)を使用しているので、為替手数料が発生することもありません。

  • 入金方法:銀行振込かデビットカード
  • 取り扱い通貨数(日本円から):52通貨
  • 送金にかかる日数:数時間~2営業日
  • 送金手数料(日本円→米ドル):225円+0.79%
  • 為替レート:実際の為替レート(ミッドマーケットレート
  • 為替レートを確認する方法:Wiseの海外送金シミュレーションから確認可能(ログイン必要無し)
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

2. PayPal(ペイパル)

PayPalは海外送金の方法として世界中で人気です。最近日本でも個人間送金が解禁され、海外通販サイトの支払いだけでなく、友人や家族への送金にも利用できるようになりました。送金手数料は499円と魅力的ですが、それとは別に送金金額の3.5~4.0%が為替手数料としてかかります。PayPalの為替手数料は他の送金サービスと比べても高く設定されています。

また、PayPalの具体的なレートはPayPalアカウントを持っていないとウェブサイトから確認できません。大体のレートを知りたい人は、Wiseの為替レート比較ページからPayPalのレートを確認することもできます。

  • 入金方法:銀行振り込みかPayPal残高から引き落とし
  • 取り扱い通貨数(日本円から):22通貨¹²
  • 送金にかかる日数:
  • 送金手数料(日本円→米ドル):499円
  • 為替レート:送金金額の3.5~4.0%の為替手数料を上乗せした独自の為替レート
  • 為替レートを確認する方法:PayPalウォレットから確認可能(ログインの必要あり。また、ウォレット残高が0円の場合、確認不可)代替案として、Wiseの為替レート比較ページを参照することも。
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

海外送金をする際に、「為替レート」について知っておきたいこと

海外送金プロバイダのWebサイトを見ると、その日の為替レートが表示されているかと思います。海外送金する際、送金した日本円はこの為替レートに基づいて両替されます。しかし、Google検索などで実際の為替レートを調べてみると、プロバイダが提示するレートとは一致しないことに気が付くかと思います。

これは、多くの海外送金プロバイダが実際の為替レートに為替手数料を上乗せしたレートを採用しているから。つまり、海外送金時には、送金手数料のほかにも、レート自体に含まれた為替手数料が徴収されているということなのです。

例えば、実際の為替レートが1ドル=108円の時、A社は1ドル=109円で海外送金してたとします。その場合、1,000ドル送る際に、108,000円ではなく109,000円が必要になるということ。言い換えれば、両替の時点で1,000円の為替手数料がかかっているのです。

安い手数料を謳う海外送金プロバイダが多いですが、追加で為替手数料も徴収されていることに注意が必要です。なかには、銀行よりも不利なレートを用いているプロバイダも。そのため、海外送金時には送金手数料だけでなく、為替レートも確認するのが重要なのです。

どの為替レートであれば、フェアなのか?

では、もっとも「フェアな」為替レートは、一体どのように定義されるのでしょうか?

為替は24時間世界中で売り買いされています。そして、為替トレーダーは「買い」または「売り」の通貨レートを選択して取引を行っています。この買いレート・売りレートの中間に当たるレートが、「ミッドマーケットレート」です。ミッドマーケットレートはリアルタイムで変動するため、その時の市場の状況を最も適切に反映した公正なレートであると言えるのです。

ミッドマーケットレートはGoogleで検索するか、Wiseの両替レート計算ツールで確認できます。このミッドマーケットレートと、プロバイダが提示するレートの差が小さい方が、お得に送金ができるということです。

海外送金アプリの中には、Wiseのように、常にミッドマーケットレートで送金ができるものもあります。よりフェアなレートで送金したい人は検討してみてもいいですね。

3. セブン銀行アプリ

「海外送金 アプリ」と検索して上位に出てくるのがセブン銀行の海外送金アプリ。しかし、アプリからはフィリピン以外の国への送金はできません。為替レートの確認や口座開設の申し込みなどはアプリからでもできますが、実際の海外送金はフィリピンあてしか対応していません。フィリピン以外への送金はセブン銀行PC版か、他の海外送金アプリを利用する必要があります。

なお、セブン銀行の海外送金アプリを利用するには、セブン銀行の口座を持っている必要があります。

  • 入金方法:銀行振り込み¹³
  • 取り扱い通貨数(日本円から):1通貨(フィリピンペソ)
  • 送金にかかる日数:即時~1営業日¹⁴
  • 送金手数料(日本円→フィリピンペソ):950円~2,000円¹⁵
  • 為替レート:セブン銀行が定める為替手数料を上乗せした為替レート
  • 為替レートを確認する方法:アプリをダウンロードして、アプリから確認可能
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

4. 新生銀行アプリ(GoRemit)

新生銀行が提供している海外送金アプリGoレミットは、12通貨で170か国以上に送金が可能です。新生銀行の口座を持っていなくても利用できる点が便利です¹⁶。新生プラチナステージの場合は、月1回(初回)送金手数料が無料になる優遇サービスがあります¹⁷。

  • 入金方法:銀行振り込みまたは新生銀行パワーフレックス口座からの引き落とし¹⁸
  • 取り扱い通貨数(日本円から):12通貨¹⁹
  • 送金にかかる日数:1~3営業日²º
  • 送金手数料(日本円→米ドル):2,000円(円口座からの引き落とし・振り込み)、4,000円(外貨口座からの引き落とし)⁵
  • 為替レート:新生銀行が定める為替手数料を上乗せした為替レート
  • 為替レートを確認する方法:新生銀行ウェブサイト送金額計算機から確認可能
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

5. docomo Money Transfer

docomo Money Transferは、ドコモユーザーのみが利用できる海外送金アプリです²¹。利用登録→ドコモ口座への入金→送金依頼の3ステップで送金が可能です。送金手数料が一律1,000円と安価なのが魅力的ですが、1.5%の為替手数料が徴収されることに注意しましょう。

  • 入金方法:銀行振り込み・コンビニATM、ペイジー(Pay-easy)
  • 取り扱い通貨数(日本円から):30通貨⁸
  • 送金にかかる日数:公示なし²²
  • 送金手数料(日本円→米ドル):1,000円
  • 為替レート:みずほ銀行の仲値に1.5%の為替手数料を上乗せした独自の為替レート²³
  • 為替レートを確認する方法:docomoMoneyTransferウェブサイト本日の為替レートから確認可能
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

6. ブラステルレミット送金アプリ(Brastel Remit)

国際電話カードで有名なブラステルが提供する海外送金アプリです。送金可能な通貨・国が多く、送金額によって送金手数料が変動します(少額の送金ほど手数料が安い)。ブラステルレミットの為替レートも為替手数料が上乗せされています。ブラステルカードを持っている場合は、優遇レートが適用されます。

  • 入金方法:銀行振り込み、ゆうちょの場合はインターネットバンキングからも可²⁴
  • 取り扱い通貨数(日本円から):多数
  • 送金にかかる日数:1~3銀行営業日²⁵
  • 送金手数料(日本円→米ドル):880円〜1,680円²⁵
  • 為替レート:ブラステルレミットが定める為替手数料を上乗せした為替レート(ブラステルカード利用者には優遇レートが適用される)²⁶
  • 為替レートを確認する方法:ブラステルレミットウェブサイト本日の為替レートまたは送金シミュレーターから確認可能
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

7. World Family海外送金アプリ

World Familyはアジア諸国への海外送金を専門にした海外送金アプリです。中国・韓国・ベトナム・ネパール・バングラデシュあては送金手数料一律500円、その他の国は一律1,000円と設定されています。10万円以下の初回送金は、会員登録なしでも送金が可能です。²⁷

しかしWorld Familyも他のアプリと同様に、為替手数料を課しています。World Familyの利用規定に以下のような記述があります²⁸。

為替レートは、当社が営業時間内に委託先機関に対し送金指示をする時点の委託先提示レートにもとづいて決定します。同レートの0.0-5.0%をスプレッドとして上乗せします。

0-5.0%の為替手数料が上乗せされる可能性があるということですが、0〜5%と幅が広く、時には高額な為替手数料となりかねないことに注意が必要ですね。

  • 入金方法:銀行振り込み
  • 取り扱い通貨数(日本円から):14通貨¹º
  • 送金にかかる日数:数分~2銀行営業日²⁹
  • 送金手数料(日本円→フィリピンペソ):1,000円
  • 為替レート:World Familyが定める為替手数料を上乗せした為替レート(送金額振込先の金融機関が定める為替レートに0~5%の為替手数料を上乗せ)
  • 為替レートを確認する方法:WorldFamilyウェブサイトホーム画面から確認可能。しかし、何日何時時点のレートなのか不明
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

8. Smiles海外送金アプリ

Smilesは、株式会社デジタルワレットが運営する、窓口業務のない完全モバイル型の海外送金サービスです。国際的な海外送金サービスであるRIA Remittaceとの提携により、世界約150か国への送金が可能です。送金シミュレーションをすると送金手数料や為替レートが分かるようになっています³º。

為替手数料の有無に関する記述はウェブサイトには見当たりません。具体的な為替レートはシミュレーションから確認できます。Googleや両替レート計算ツールで実際の為替レートを調べた上で比べてみてもいいかもしれませんね。

  • 入金方法:銀行振り込み、ゆうちょの場合はインターネットバンキングからも可
  • 取り扱い通貨数(日本円から):多数
  • 送金にかかる日数:1~2営業日³¹
  • 送金手数料(日本円→米ドル):880円~2,000円³²
  • 為替レート:為替手数料が上乗せされているのかどうかについての記述が見当たらない 公示なし
  • 為替レートを確認する方法:シミュレーションから確認可能
  • アプリダウンロード:iPhone, Android

まとめ

近年は、アプリから24時間いつでも海外送金できる便利なサービスが増えています。しかし、そのそれぞれが異なる送金手数料や為替レート、送金できる通貨などに違いがあります。重要なのは自分のニーズを把握し、比較検討することです。たとえばスピード重視なのであれば、海外送金に必要な日数を比較してもいいかもしれません。

海外送金アプリの多くは、安い送金手数料をうたっています。しかし、多くの送金サービスは為替レートに為替手数料を上乗せしており、利用者には気が付きにくいところでさらに多くの手数料がかかってしまいます。できるだけ安く海外送金をしたい場合は、送金手数料だけでなく、為替レートにも注意する必要があります。

実際の為替レート(ミッドマーケットレート)で送金したい人は、Wiseの利用を検討してみるのも良いでしょう。Wiseが本当に一番安い海外送金の方法かどうか、他のサービスとの比較も行なっていますので、確認してみてくださいね。


ソース

  1. Wiseシミュレーション(2019年10月15日13:24(日本時間)時点確認)
  2. PayPal | ご利用手数料(個人向け)
  3. PayPal | User Agreement Exhibit A - Fees.
  4. セブン銀行 | 海外送金サービスアプリ
  5. 新生銀行Goレミット | 送金手数料
  6. 新生銀行Goレミット | 送金額計算機(2019年10月15日13:26(日本時間)時点確認)
  7. docomo MoneyTransfer
  8. docomo MoneyTransfer | 本日の為替レート(2019年10月15日13:29(日本時間)時点確認)
  9. ブラステルレミット | 計算シミュレーター(2019年10月15日13:32(日本時間)時点確認)
  10. WorldFamily Q&A よくあるご質問 「[WFR]でどんな国々に送金できますか」
  11. Smiles Remit Simulator(2019年10月15日13:35(日本時間)時点確認)
  12. PayPal | 取引可能な通貨
  13. セブン銀行 | 送金方法 フィリピン送金サービス(Mobile Remit sa Pinas)
  14. セブン銀行 | よくあるご質問 フィリピン送金サービス(Mobile Remit sa Pinas) 「送金をしてから、受取れるまでにどの位の時間がかかりますか?」
  15. セブン銀行 | サービスの特徴/送金手数料 フィリピン送金サービス(Mobile Remit sa Pinas)
  16. 新生銀行Goレミット
  17. 新生銀行Goレミット | 送金手数料【新生プラチナ優遇サービスご利用の注意事項】
  18. 新生銀行Goレミット | 送金方法について
  19. 新生銀行Goレミット | 送金可能な国・通貨
  20. 新生銀行Goレミット | よくあるご質問
  21. ドコモ口座 | ご利用案内
  22. docomo MoneyTransfer | よくあるご質問・お問い合わせ「送金指示が完了してから着金までに、どのくらいの日数がかかりますか?」
  23. docomo MoneyTransfer | ご利用条件
  24. ブラステルレミット | ご利用手順
  25. ブラステルレミット | 送金手数料、送金額・回数の上限と受取時間
  26. ブラステルレミット | うれしい2つの特典
  27. WorldFamily
  28. ワールドファミリー海外送金利用規約
  29. WorldFamily Q&A よくあるご質問 「各国への送金はどれぐらい時間がかかりますか」
  30. Smiles
  31. Smiles「【はじめてのモバイル海外送金:その4】 送金する」
  32. Smiles シミュレーション

当社は、当ブログを利用することによって生じたいかなる損害について、一切の責任を負いかねます。 当ブログに掲載されている情報は、その妥当性、信頼性、有用性、最新性を保証するものではありません。 当ブログで掲載している情報につきましては、一切の予告なく内容を変更する可能性があります。あらかじめご了承ください。


*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



当社は明示的または黙示的にかかわらず、この内容が正確、完全または最新であることを表明または保証しません。

国境のない金融

詳しくはこちら

役立つ情報、ニュース、お知らせ